chapter 03

ナポリピザをささえる食材1
モッツァレラ、小麦粉 篇

協会がDOCを基準とするに足りるベースとして、ナポリ周辺カンパーニャ州にはピザ用の食材を作っているざまざまな農家があります。
特にマルゲリータなどの特徴ともいえるフレッシュなモッツァレラチーズは、イタリア水牛の乳から作る『ブッファラ』が推奨されている事もあり、水牛を飼ってチーズを作る『caseificio(カセイフィーチョ)』という農家兼工場がたくさんあります。
水牛の乳で作るものを「モッツァレッラ ・ディ・ブッファラ」牛乳からのものを「フィオール・ディ・ラッテ」と呼びます。
実際のところ「ブッファラ」を使うようにというピザ協会のお達しがあるのですが、話を聞いた何人かの経営者やピッツアイヨーロ(ピザ職人)は、ピザは庶民の安い食べ物だから原価の安いフィオール・ディ・ラッテを使いたいという意見も聞かれました。
「フィオール・ディ・ラッテ」はあっさりしていますが、「ブッファラ」の方はそれより濃厚でコクがあり、そのまま食べても美味しいのは確かです。
「明日作って今日食べる」と言われるほど新鮮さが要求されるモッツァレラは、画像のように毎日カセイフィーチョの職人が90度のお湯で延ばした材料を手でひきちぎりながら(mozzare=切り離す)作っています。
また、これを吊るして熟成しておくとカチョカバッロ、スモークする事でスカモルツァというチーズが出来上がります。

元々フォカッチャから来たピザは生地を食べるもの。ナポリでは生地には小麦、水、塩、酵母以外入れてはいけないという厳しい決まりがあり、そういう意味でも小麦は非常に大事な意味を持ちます。
その小麦粉は、さすがにナポリ原産という訳には行きませんが、様々な国から輸入される小麦を使用して、ナポリの工場で『00番』というピザ専用の粉を作ります。
ナポリにある"CAPUTO"という最大手の小麦粉会社は、常にピザに最適な小麦を研究、その小麦の持つグルテンの量などを計測し、世界から集められ厳選された原材料をミックスして最適化させ、製品化していました。
最近は日本のナポリピザのレストランで、日本の粉なども使用されているようですが、本来はこのナポリ製の粉「00番』を使うのが本式です。

ナポリ郊外にたくさんあるカセイフィーチョのひとつ、ルイージさんの工場。

かなり自由な環境で水牛をのびのび育てています。

材料に熱湯を入れ、溶かしてなめらかにします。

それを手で引きちぎりながら小さい固まりにします。

出荷を待つCAPUTOの00番粉

集められた小麦を検査し、最適な配合を決めます。

大きな製粉機がたくさん稼働していました。